2020/05/08
最近のファッショントレンドを語る上で
・抜け感
・こなれ感
この二つのキーワードは欠かせません。
きれいめよりカジュアル志向。
ピッタリよりゆるっとしたオーバーサイズがすっかり定番になっていますよね。
街を歩いていても、ファッション雑誌を眺めてみても、こんな感じの<ゆるっとコーデ>をよく見かけませんか?
しかし、こういった「ダボっとしたファッションが似合わない人」は、実はたくさんいます。
オーバーサイズのゆるっとした恰好が似合うのは、骨格のフレームがしっかりした人、骨感が強い人」です。
日本人はどちらかというと、小柄で骨格も華奢な人が多いように思います。
一歩間違うと、だらしなく、もさっとする、気太りして見える…
実は着こなすのがものすごく難しいファッションなのです。
「トレンドだから」という理由でなんとなく着つつも違和感を感じている人って結構多いのではないでしょうか?
確かに、オーバーサイズは着ていて楽ちんですし、体型も隠せるし、とても便利です。
しかし「体型を隠す」のと「スタイルよく見せる」のは全く違います。
体型は隠せてもスタイル悪く、太って見えるのなら本末転倒です。
「スタイルよく見せる秘訣」は、オーバーサイズのものを着ることではありません。
自分の体型にフィットしたものを着ること。
実はサイズ感がものすごく重要なのですが、このことを意識して洋服を選んでいる人ってどれくらいいるでしょうか?
洋服を試着せずになんとなく買っていませんか?
オーバーサイズが流行るのは、
通販で(試着せずに)洋服を買う人が多いからです。
もし、ピッタリファッションがトレンドだったら、通販で洋服を買うとどうなるでしょうか。
家に商品が届いて早速試着してみて、
「なんかダボっとしてヒップのラインがキレイに出ないわ…」
「ピチピチすぎて肉感的すぎる…残念」
などの様々な理由で返品率が高くなると思いませんか?
オーバーサイズを流行らせておけば、ダボっとするほどOKなのでサイズ感は気になりません。
「モデルが着てたのもこんな感じだったよね!」と満足するのではないでしょうか。
今、あえて「流行らせておけば」と書きました。
とても穿った説かもしれませんが、
流行とは、皆のニーズの結果ではなく、「アパレル業界にとって都合のいいものを戦略的に広めているもの」だということを知っておくべきなのです。
オーバーサイズを流行らせておけば、9号11号などの細かいサイズ展開をなくして、ゆったりめのフリーサイズだけで事足りるのです。作って売る側としては楽でしょう。
通販で試着せずに服を買う人が増え続ける限り、オーバーサイズの流行はしばらく続くと思います。
もし人々が
「皆と同じだと安心」
「トレンドを追っていればOK 」
という意識のままだと、流行は業界の戦略に舵を取られたままでしょう。
1990年代には、
「安室ちゃんがしているメイクがカワイイから私も♡」
というノリで、メディアが仕掛ける通りのコスメやファッションに皆飛びついていました。
(細眉にしたり、水色のアイシャドウを塗ったり、似合っていようがなかろうがそれが当時のイケてるメイクでした…懐かしい)
最近若い人でTVを見ない人が増えているそうですが、そうだとしても、対象が芸能人からSNSのインフルエンサーに変わるだけのこと。
真似しているだけでは、キレイになれないのです。
トレンドを追っているだけでは、オシャレに見えない。
皆そのことに気づきはじめています。
「自分はどういう顔や体型の特徴を持っていて、どういったファッションやメイクが似合うのだろう?」
自分自身のことを知りたいと思ってイメージコンサルティングを受診する人も劇的に増えてきました。
情報に踊らされず自分自身と向き合おうとする人がどんどん増えていくなら、もしかしたら今後の流行の流れは変わっていくかもしれませんね。
三好詔子 Shoko Miyoshi
イメージコンサルタント、1級建築士
ファッションからインテリア、建築にいたるまで<美しさの法則>を日々研究し、現在大阪でサロンを開業中。
自分で気づいていない個人の魅力を、内面や外見あらゆる側面から引き出してアドバイスする毎日です。