イメージコンサルティング

少女漫画『高校デビュー』にみる、ときめくイメージコンサルティング

2017-08-19

『イメージコンサルティング』という言葉は、まだ世の中にそれほど浸透しておらず、「私はイメージコンサルタントです」と自己紹介しても「え?何それ?」という反応が返ってくる場合が多いです。
端的に定義すると「あなたに似合うファッションをアドバイスしますよ☆」ということなのですが、それだけだと具体的にはイメージしづらいからか、「ふ~ん」とか「へえ~」という素っ気ない反応しか返ってきません。

ちなみに「私は建築の設計をやってます」と言うと、なぜかたいてい「すご~い!かっこいい~!」と言われます。
しかし「設計の仕事内容を知っていますか?」と聞いてみると、具体的には知らない方も多いのですが、それでもどういう仕事なのかは皆さんイメージできるようなんです。
ドラマや映画などで見ているからなのでしょうか?
イケてる主人公が建築家という設定は結構ありますものね(確か冬ソナもそうでしたっけ…)

そんなことをあれこれ考えているうちに
「イメージコンサルティング(略してイメコン)とは何なのか?」について、
その真髄を、今回は少女漫画を題材に考えてみたいと思った次第です。

映画化もされた『高校デビュー』という漫画は、中学で部活(ソフトボール)一筋だった主人公:長嶋晴菜が、高校では彼氏を作って素敵な恋愛をしよう!とやたら張り切る話です。

晴菜は「かつてソフトボールにすべてを懸けたように、高校では恋愛にすべてをかけるのじゃ!」と決意もすさまじく自分なりに頑張るのですが、その努力の甲斐も空しく一向に彼氏ができる気配すらありません。

しかし、部活でメンタルを鍛えられている晴菜は、ここで「どうせ私なんてダメなんだわ…」と自己否定に陥って諦めたりなんかしません。
「私は人より頑張らなきゃだめだからこんなに頑張ってるのに、なんでモテないんだろう?
そうだ!!ソフトボールもいい指導者に巡り合ってこそうまくなるように、私には《男ウケ》を指南してくれるコーチが必要なんだ!!」と超ポジティブに考えるところがいいですね~。

そして、学校で見かけたいかにもモテそうなイケメン男子:小宮山ヨウに、
「恋がしたいから、私と付き合ってください!」と勇気を出して告白するのではなく、
「恋がしたいから、私に《モテ》をコーチしてください!」と申し込むのです。

缶ジュースの蓋を開けられず苦戦していたところを晴菜に難なく開けてもらったヨウは、そのすさまじい腕力とあまりにも体育会的な申し出にたじろきつつ、
「…すげえな、なんかスポーツやってたの?」と思わず聞き返し、晴菜の勢いに押されまくってつい《モテのコーチ》を引き受けてしまうのです。

晴菜は、雑誌やTVで《男ウケ》たるものをそれは熱心に研究しており、
「男の子はワンピース大好き!」
「透ける素材でセクシー度アップ!」
「風水的にはピンク♡」
と、よさげなものはとにかく全部取り入れようとするのですが、

それに対してヨウは
「男ウケだけ集めればいいってもんじゃない!コーラとウーロン茶とオレンジジュース混ぜて飲んだら気持ち悪いだろうが!!」と超~的確なアドバイスと共に、晴菜の大事な《モテ研究ノート》を見事ゴミ箱にダンクシュートしてしまいます。

我々イメージコンサルタントも、これに近いようなことを、ここまであからさまではなく、オブラートに包んで優しくアドバイスいたします、笑。

「袖の形が腕の逞しさを強調してる!」
「髪型と服が合ってない!」
「あんた、色黒いから淡い色とか似合わない!」
「ゴツイからテロテロしてる素材も似合わない!」
「あとリボンも…似合わないから、禁止!」
「俺は、そんなかっこの女とは恥ずかしくて歩けない」
「あんた、頑張ってんだけど、かなりズレてんだよね」
と、とにかく歯に衣着せぬヨウですが、
彼のすごいところは
「あんたが頑張ってんのは、もうわかってるから」と晴菜の頑張りを認めてあげる、その包容力です。

こんなことを言われたら、もう速攻で恋に落ちるしかなさそうですが(笑)
晴菜がヨウの《モテコーチ》を受けるための条件は《絶対に彼に恋しないこと》という、これがこの漫画の肝なるところなんですね。

「恋なんて、そんなにいいものじゃないぞ…」

そう、彼にはなにやらアンニュイな過去がありそうですが、今回は《恋愛》ではなく《イメコン》がテーマなので、その辺は割愛させていただくとして。

そして、ヨウは晴菜に似合いそうな服を一緒に選びに行くのですが(同行ショッピングというやつですね)、ここでも彼は、晴菜が選んでくるものを容赦なく却下していきます。

こういうシチュエーション、もし友達と一緒に行ったなら「いいんじゃな~い?」とか適当に相槌うつところですよね。
漫画のなかでも、一緒についてきたその他友人達は、「かわい~よ~」「似合うよ~」と晴菜を擁護するのですが、ここでまたヨウのすごいところは、
群衆の意見に流されず、一切の妥協を許さず、
「何かが大きく間違っている気がする…。待て…、あまりお金もないんだから、ちゃんと考えて選ぼう」と晴菜のために、めちゃくちゃ真剣に考えてあげるのです。

我々コンサルタントも、
お客様がどうしたらもっと素敵になれるのか、
どうしたら自分に似合うものをちゃんとわかって選べるようになれるか、

いつもこのヨウのように真剣に考えているわけです。

イメコンの難しさは、似合うものを提案しさえすればそれでOKなのではなく、お客様のニーズを叶えて差し上げなければならないところにあります。
スポーティな晴菜は、Tシャツ&ジーパンみたいなボーイッシュな恰好は難なく似合うのですが、これまでジャージしか着たことなかった晴菜が欲しいのは《可愛く、女の子らしく見えるスカート》だったりするわけです。

ここでまたまたヨウのものすごいところは、
「おまえにスカートは似合わない。パンツにしろ」とアッサリ切り捨てるのではなくて
「いいんじゃない、スカート。あんたに似合うスカート見つけよう!」と探し回ってくれて、晴菜のあまりのスカートの似合わなさぶりに呆れつつも決して愛想をつかすことなく付き合ってくれ、途中疲れ果てて休憩を挟みつつも「絶対にスカート探してみせる!」と執念を燃やし続けるところです。

そして、ついに見つけた運命のスカート!

いかがです?

ヨウのイメコン、ちょっとトキメキませんか?

何が言いたいかというと、
「ヨウみたいなキラキラ男子高生はこの世に存在しません!」ということではなくて、
「あなたに似合うスカートを探してくれるイメージコンサルタントなら、探せば見つかりまっせ」ということなんです(笑)

運命のスカートを一緒に探してくれる恋人を探すのは、砂漠に落としたコンタクトレンズを探すように難しいかもしれませんが、世話焼きなイメージコンサルタントと共に運命のスカートを見つけて素敵に変身した暁には、もしかして運命の恋人も見つかるかもしれませんよ♡

「私、男を見る目はぜんぜんないけど、コーチを見る目だけはあったよね(by.晴菜)」

高校デビュー、面白いですよ!(結論)

※掲載画像はすべて、『高校デビュー①』河原和音(マーガレットコミックス)より引用させていただきました。

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